4月 川の中には何がいるのかな?~汽水域の生き物~

 天気予報は相変わらず雨模様。みんなの想いが届いたか、今日は水辺の教室第一回。 曇り空ではあるが、雨は降ってない。どうか1日もっておくれよ、と願いつつ、 吉野川第十堰の北岸へ集合。子供達が緊張した面持ちでぞくぞくとやってきました。
 まずは開校式。川塾のこと、水辺の教室のことについてぺぺからのお話がありました。 みんなの自己紹介では元気な声が響き渡ります。緊張してたのはスタッフの方かな。

 今日初めて会うみんなも顔見知りのみんなも最初のアイスブレイクで すっかり打ち解けたようです。川塾ルールはケイサツ役がドロボー役を 捕まえるとき(タッチするとき)には必ず相手のニックネームで呼ぶこと。
そう、みんなご存知の“ケイドロ”です。太陽も雲間から覗き、 日差しが出てきました。
 喉を潤したあとは、スタッフの和也が作った大きな吉野川マップ。
みんなの家はどの辺りかな?吉野川の北の方、上流の方。眉山の麓。鮎喰川の近く、 と色んなところから来てくれてるんだね。今、みんなが立っている場所はどこかな、 地図の真ん中の第十堰の北岸だね!と自分達に居る位置を確認しつつ、吉野川の宝物探しに出掛けます。 キーワードは、「あおいし」、「ちあゆ」、「さぎ」、「まつくい」、「いたどり」。 「まつくい」ってなあに?「ちあゆ」って?

 第十堰の上を歩いていると見えてきたのは水量多く勢いよく水が流れるのは魚道。 そう、魚道は足を滑らせると大変。子供達とスタッフとグループになって慎重に水の中を覗いてみます。 よ~くよ~く目を凝らして見てみると・・・ 水の中でキラキラ光るもの いたッ!稚鮎だ。
海で育った鮎の子供達が吉野川の上流を目指してどんどん昇っていきます。みんなの目もキラキラ。
 なかなか見つけれない子供達にも、いたー!見てあそこ!勢い余って陸上に飛び出してしまった稚鮎、 魚道の向こう岸。私たちはここ(魚道)は渡れません。かわいそうに、助けてあげられない・・・。 と、ある子が言います、大丈夫、鳥たちが食べてくれるよ。遠くには稚鮎を狙って第十堰に 集まってきているサギたちがこちらを恨めしそうに見ています。
 私たちが伏流池と呼んでいた場所は昨年の台風ですっかり土砂に埋まり、 代わりに新しい小さな流れが出来ています。あれ?水の温度が違うよ。 こっちの水は冷たい、ここの水あったかいよーと声が飛び交います。
なんでだろうね。
 水の中に生き物見つけた!小さなかわいい稚魚。なんていう名前だろう。 綺麗な石を拾って見せ合いっこ。これも青石?紫の色の石もあるよ? 色んな色の石をけずって顔にペイントアート。第十一堰を作るぞ! みんな手伝ってー!大きい石と小さい石を組み合わせて、そうそう、 単に石を置いてるんじゃないんだよね。

 そろそろおなかが空いてきた、みんなの腹時計はとても正確。
水辺の教室のお楽しみの一つ、お昼ご飯の時間です。今日のお昼は ちこちゃん&うっちー&トップによる筍ごはんと生姜焼き、お味噌汁。 お腹ペコペコのみんなはあっという間にお鍋いっぱいのご飯を平らげました。 外でみんなで食べるご飯は格別でした。
 ご飯の後は、そうそう、大事なお約束。みんなの持ち物リストにあった 「ボロ布」、これを使って食べ終わったお椀に残った油や汁を拭き取ります。 お米のとぎ汁を使って、なるべく油を残さないように。これでお皿洗いも簡単、 水もたくさん使わなくて済むね。

 

「お昼からは川に入れる?」 早くも水中眼鏡を装着、準備万端。
稚鮎の遡上を邪魔しないように、少し下流の干潟へ移動します。
道すがら、けんちゃんが「いたどり」を発見!皮を剥いてみずみずしいイタドリ。 すっぱーい!けれどみずみずしい。昔から遊び疲れた子供たちの大事な水分補給。
 まだまだ水温は冷たい四月。水の冷たさをもろともせず全身ずぶ濡れの子供達。 泥団子を作ったのは誰だ!しかもお尻を目掛けて投げたのは誰だー! しじみはいるかなぁ、あ!砂の上に鳥の足跡!と子供たち思い思いに過ごします。
 まきろんが生き物たちのたくさんいるポイントを教えてくれました。 小さな手長エビやとびはぜ、よしのぼり。貴重な魚もいたね。はじめて見る生き物たちも。

 あっという間に時は過ぎ、そろそろ家に帰る時間。
名残惜しく、干潟をあとにし、テントの中で濡れた服を着替え、
マーキー(運動会テント)の下に集合、今日のまとめの時間です。
ちょっと一息をついて、今日の一日を振り返ったり、見つけたものを記します。

 毎年そこにある風景というのはとても有難く、でも毎年、毎回違う風景や 人や生き物たちとの出会いがここにはあって、それも水辺の教室の魅力の ひとつだなぁと思っています。今年水辺の教室二年目の子供たちにとっても 新たな発見にきっと出会えるはず。
 これから一年、四季折々の吉野川で過ごせば、きっとみんな子ども川博士。 来月は新しい仲間も増えます。みんな元気に吉野川で会いましょう。
REPORT:たま
PHOTO:トップとたま

  

  

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