3月 吉野川マップを作ろう!~吉野川への思いをまとめよう~

 光がやさしく、風の暖かな朝。今年度最後の水辺の教室に、子どもたちが集まってきます。 そんなみんなを迎えたのは…3羽のニワトリ!山下のおっちゃんから卒業祝いとしていただいたものです。 そして、今夜の晩ごはんになる鶏たちです…。

 全員が集まったら、外でミーティング。今日はこのニワトリを自分たちでさばくということを伝えると、 「かわいそう」「こわい」などの意見のほかに、「このままお堰で飼おうよ」なんて意見も。 わたしたちは毎日、命をいただいて生きているんだと考えることも今回の大事なテーマのひとつ。 ニワトリと最後のお別れをして、第十堰そばの波戸先に運びます。
 1羽目はおっちゃんがお手本でさばいてくれます。実際にさばく場面では、思わず目を覆いそうになりましたが、みんなは「知りたい」という気持ちと、 「やっぱりこわい」という気持ちが絡まりあって複雑な表情。 でも、お腹を切って、中から見慣れた鶏肉が出てくると、それまでしかめていた顔もだんだん和らいでいって、「おいしそう」なんていう声も。 野生の本能というか、ここで『生き物』から『食べ物』に変わるんだという瞬間におどろかされました。

 

 

 お堰に戻ってきてから自由時間。ドッチやキャッチボールをして、お腹ペコペコ。 みんなお待ちたて!お昼ごはんです。メニューは(炊き込みご飯)(ブロッコリー)(白菜の漬物)(肉じゃが)。 今回も野菜はてらちゃんからいただきました。いつもおいしい野菜ありがとう。

 ごはんが終わったら、卒業制作のえび網作り。川沿いの竹やぶの中で、自分が気に入った竹を1人1人探します。 細いもの、太いもの、長いもの、短いもの、葉がたくさんついているもの…みんなが思い思いに選んだ竹はよく個性が表れているなぁ。 持って帰ってきて、2年目のほのが、みんなに作り方を教えてくれました。よしっ みんなで作るぞー!
分からないことがあれば、周りの人に聞きながら、みんな意外とすぐに完成。これでいつでもえび取りに行けるね。
 そのあとはまた自由に遊びました。ダンボールを貼り合わせて土手まで運んで、手作りすべり台。 土手の傾斜を利用してすべると、自分の力では止まれないぐらいのスピードが!斜面の下で、子どもたちを受けとめる係は、結構な重労働でした。
 それだけみんなが大きくなったってことだよね。この自由時間中に野草に詳しいけんちゃんをリーダーにして、野草摘みチームがヨモギやツクシなどたくさんの野草を摘んできてくれました。
 また、女の子たち数人で、おっちゃん家に行って、牛乳をもらってきました。 ニワトリに牛乳まで、本当にありがとうございます。

 十分に遊んだところで、晩ごはんの準備にとりかかります。今日はみんなで分担して、ごはんを作るんだって。
野草入り餃子、よもぎ団子、かにみそ汁、焼き鳥、ダッチオーブンで鳥の丸焼き どれを手伝おうかな~。 迷いながらも班に分かれて作業開始。みんなそれぞれ生地を練ったり、伸ばしたり、竹串を作ったり、火をおこしたり。 あれ?よもぎ団子班の女の子たちが2階でヒソヒソと何か作ってるみたい。詳細はまた後ほど。

 

 今日は外に机を並べて晩ごはん。みんなの頑張りのおかげで、どの班の料理もおいしかったね。
 食事が一旦落ち着くと、ぺぺから「今日、命をいただいた鳥さんたちに1分間の黙祷をしたいと思います。」という提案が。  みんなで目をつむって、今日のことをいろいろ思い出しました。
 「はいっ、やめ!」の声がかかってみんなが目を開けました。そして、またぺぺからお話が。
 ぺぺ:「今回はニワトリの命をいただいたけど、その反対に、たまのように命を授かることがあるよね。命が生まれる前にはどんなことがあるかな?」
 子どもたち:「妊娠するー!」
 ぺぺ:「うん、そうやな。妊娠する前は?」
 子どもたち:「チューするー!」
 ぺぺ:「そーじゃなくて、結婚するよな!実は、まきろんがこの前結婚しました。ということでお祝いしたいと思います!」
 そこに運ばれてきたのは、そう。さっき女の子たちがまきろんには秘密で作ってくれていたサプライズのためのバームクーヘンのケーキ。まきろんも喜んでくれて、大成功だったね!
 そのあと家の中に入って一年間の振り返りのスライドを見ました。
「この貝の名前何だった?」 「フトヘナタリ!」
「この講師の方は?」 「井口利枝子さん!」
みんなの記憶力には本当にびっくり!明日は1年のことをよく思い出して、お父さんやお母さんに発表しようね。

 

 2日目、みんな早起きして、朝から元気いっぱい!朝ごはんは(鳥ガラでダシをとったおかゆ)と(焼きさけ)と(味噌汁)と(カボチャの煮付け)。
 ごちそうさまのあとはいよいよ吉野川マップ作り!みんなのアイデア満載で、作ってる段階から、もう発表が楽しみだなぁ。
 あとひとつまとめるのは、吉野川への想い。
 「吉野川は自分たちにとってどんなところ?」「今後吉野川と自分たちはどんな風につながっていきたい?」をそれぞれ画用紙にまとめます。
 食事のあとはみんなでお掃除と発表会の準備。ほうきで掃いて、ぞうきんレースして、イスを並べて、準備OK!
保護者の方々がだんだんとやってきました。そして発表会のはじまりはじまり~。最初に1年間の活動紹介。
みんなの楽しそうな笑顔がスクリーンに映し出されました。次はいよいよ、吉野川マップと想いの発表です。
子どもたちは緊張した面持ちでみんなの前に立っていましたが、しっかりとした口調で丁寧に発表してくれました。
吉野川で見つけた生き物や、思い出に残った回で何を感じたか、第十堰や干潟の立体模型、アユの遡上の劇など、みんなの発表のひとつひとつに個性があって、どれも本当に興味深い作品でした。
吉野川への想いでは、いつもはニコニコと無邪気に遊んでいるみんなの、心の奥の声に、心を動かされました。「吉野川と深く関わった人として…」そう言ってくれて本当に嬉しかったなぁ。

 

 みんなの発表も終わり、吉野川こども川博士の認定式。1人1人賞状を手渡していきます。4月に自己紹介で前に立ったときより、みんなが2倍も3倍も大きくなったように感じました。

 わたしは、1年を一緒に過ごす中で、大きな家族みたいになってきたみんなの雰囲気が大好きでした。
最後の帰り際にも「また来れたら来るけん。」「これからも川塾続けていってよ。」などのあたたかい言葉をありがとう。
1年間、吉野川で学んだことを胸に、大きな大きな未来の空へ羽ばたいていってね。

REPORT:よっちゃん
PHOTO:トップとがっくん

  

  

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